同一労働同一賃金

同一労働同一賃金が法制化された背景

かつての日本では、雇用区分は大別すると正社員・パート、アルバイトでした。

 

また、非正規労働者の割合は、雇用者全体でも約15%前後と、低い水準であり、大半の労働者は終身雇用・年功序列制賃金という枠組みの中で働いており、それが将来への安心につながり、家族を持ったり、家を購入したりといったことができました。(1980年代)

 

その時代にあっては、企業の基幹的業務については社員が担い、臨時的業務・補助的業務についてはパートタイマーが担うといった社会が形成されていました。※派遣労働が原則禁止とされていた時代です。

 

そんな時代も、もはや過ぎ、フリーターの増加が問題となり、雇用の調整弁として派遣労働者が誕生し、果ては解雇権濫用法理に慎重になるあまり正社員採用を少なくし、代替措置としての有期契約労働という働き方まで誕生しました。(2000年代)

 

いまや、正社員以外の労働者=非正規労働者の雇用割合は4割近い水準を維持するようになりました。

 

下記資料をご覧になればわかるように、正社員は年齢とともに賃金が上昇することがわかりますが、非正規労働者の方は賃金水準が全年齢で一定の水準を保ち続けています。

 

今や4割近い労働者の方が将来の不安や収入の増加が見込めない事になっています。

 

これでは、経済の発展は望めません。家族を持つことも、家を購入することも困難です。

 

つまり、非正規労働者の雇用の安定は経済的側面からも非常に重要となっているのです。

何が問題なのか?

問題となっている対象はズバリ

 

不合理な賃金格差です

 

以前は

正社員→基幹的業務

非正規→臨時的・補助的業務

この理由で説明が付いたのですが、4割近い労働者が臨時的・補助的業務に就いているということは考えられません。

 

また、実態を見ると、特に大企業に多く見られますが、

正社員→総合職のキャリアパスに従い、転勤・異動を重ねて出世

非正規→同一部署で異動せず、長く働き、結果として専門性が身についていて業務のことが一番わかる。

 

かつてのサラリーマン川柳で

クレームも 社員じゃわからん パート出せ

と歌われていて、なかなか秀逸な皮肉だなと感じたものです。

 

そう考えると、現在の多様な働き方が推進されている世の中で、

正社員・非正規労働者の間の賃金格差について、現実的に担っている役割の視点で見ても、『非正規だから賃金低い』という説明は、『合理性を失っている』だけにとどまらず、『不合理』と言っても過言ではありません。

ついに出ました!最高裁の判断

同一労働同一賃金について、リーディングケースとなる判決が先日ありました。

  1. 長澤運輸事件
  2. ハマキョウレックス事件

ともに有期契約労働者と無期契約労働者に対する賃金格差に関する判例です。

 

また、判決が出る前に行政府が作成した、同一労働同一賃金に関するガイドライン(案)もご確認ください。

同一労働同一賃金のポイント

✅不合理な待遇格差の禁止

✅不合理という言葉が持つ広い意味

✅賃金総額に関しての格差を見るのではなく、待遇・手当の性質・目的から個別に不合理性の判断

✅前提条件が同じであれば『均等待遇』が求められ

✅前提条件が異なるのであれば違いに応じた取り扱いをする『均衡待遇』が求められる

不合理と判断されやすいケース

例:通勤手当について正社員には支給しているが、非正規労働者には払っていないケース

 

1・正社員にも非正規労働者にも通勤は発生する

2・通勤手当の性質は、通勤費用の補填

3・『正社員のキャリアだから通勤手当を支給する』この説明は不合理

4・『通勤費をかけて会社に来ている人に払う』これが合理的

 

このようなケースでは非正規労働者に通勤手当を払っていなければ、パートタイム労働法・労働契約法の下で違法とされ、遡って通勤手当の請求を命じられることとなるでしょう。

事業主の課題

✅賃金規程の総ざらい

✅不合理な規定の洗い出し

✅雇用区分に応じた職務の分析・見直し

✅合理性の追及よりも不合理の解消こそが課題!

✅これを機に人事制度の見直しも視野に!

当事務所への依頼

【コンサルティングフロー概要】

①事業の内容や就業規則、賃金規程、賃金の支給実態、正規労働者の職務内容・非正規労働者の職務内容などを調査・ヒアリングします。

 

②賃金の基本給・諸手当について合理的であるか否か、不合理といえるか否かを判断します。

 

③新賃金制度の移行のご提案・不利益変更が生じる場合、従業員への猶予期間を設定し、紛争リスクの予防措置

 

④新賃金規程の作成・制度の運用に問題がないか、専門家によるアフターフォローの実施※原則として、顧問先限定

 

【費用について】

①・・・・・稼働時間に応じた費用(5,400円/時間)

②・・・・・項目数に応じた費用(21,600円/1項目)

③・・・・・別途お見積り

④・・・・・別途お見積り

 

申し訳ありませんが、顧問先事業所を優先とさせていただきますので、お問合せ頂いた場合でも、スケジュールの都合で、ご希望に添いかねる場合がございます。